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蕩けるようなキスをして
第37章 欲しいもの
いつもの繰り返しで。
最後の最後で、拒否してみせる彼女に、とうとう我慢がならなくなってくる。
「なんなの、お前?」
いい加減にしろと、叫びたくなる。
煽ってきたのは、そっちだ。
誘ってきたのは、絶対に、そっちだ。
今日の自分は、何もしないつもりだった。
必死に自分を、戒めていた。
そんな自分を誘惑しておきながら、釣れたら釣れたで、また拒絶するなんて。
愉しんでいる?
自分に溺れ、切なさに胸を焦がす俺を眺めて、愉しんでるのか?
言いようのないどす黒い怒りの塊が、陸の胸を支配し始める。
「お前が好きで好きで堪らない俺を翻弄して、嗤ってるのかよ?」
陸が言い捨てれば、華夜子は恐れの色が浮かんだ瞳で、彼を見る。
「…そんな事、してないよ。なんでそんな酷い言い方するの?」
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