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第35章 彼女の過去

－私は、新しい、恋を。
再び、恋を。
あなたと初めて出逢った瞬間と同じ感情を、私は今、あなたじゃないひとに向けている。
あなたじゃないひとに、心奪われている。
あなたの望み通りに、私、生きれるようになってきた。
『いつまでも哀しんでいないで、また誰かを好きになって欲しい。自分の事は心の片隅に。また誰かを、一生懸命好きになって』
きっと、あなたも喜んでくれている－思ってきたけれど。
本当に？
あなたは本当に、心の底から、そう、言ってくれていたの？
辛かったんじゃない？
淋しかったんじゃない？
自分を一生、忘れないで欲しかったんじゃないの？
自分を一生、好きでいて欲しかったんじゃないの？
本当は、あなたは。
本当の、あなたは－…。