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第35章 彼女の過去

思わず、涙が滲みそうになる。
この優しさに報いたい。
もう少し待った先に。
この優しさに、報いるから。
きっと、応えるから－…。
「しかし、まさか華夜が乃愛と仲良くなる日が、来るなんてなぁ－」
陸の声に、一気に現実に戻る。
「あいつと話し合う？華夜とは違うタイプじゃん」
「意外と合うよ」
へえ－華夜子が答えれば、陸は感心したように、呟く。
「櫻葉陸の話も色々教えてくれるし」
しかし。
次に華夜子が放った言葉に、瞬時に、陸の顔に焦りが浮かぶ。
「えっ、俺の話…？」
「うん。私が知らない事も色々教えてくれる」