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第34章 彼の過去

彼と知らない誰かが抱き合うのと。
彼と知ってるクラスメートが抱き合うのは、違う。
ちょっとなんかじゃなくて、全然。
全然、違う。
明日からまた、乃愛と顔を突き合わせる度に、思い出してしまう。
皮肉な事に？彼を通して、以前よりも、遥かに仲良くなり、どこかに遊びに行くようにさえなった。
話をする度に、繰り返し、思ってしまうのかな。
どんな言葉を囁かれ。
どんな風にキスをされ。
どんな風に身体中に触れられ。
どんな風に身体中に口付けされ。
どんな風に、彼に－…。
どんな事も、私はされていない。
なのに彼女は、その全てを、彼にされ。
される事を拒んでいるのは、私だけれども。