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第34章 彼の過去

言われるまでもなく、ちゃんと、分かってる。
言われるまでもなく、みんな、自分が悪かったって事くらい。
図星を次々突かれ、ぐうの音も出ないって事くらい。
それを彼女のせいにして、逃れたかっただけだ。
ずるい考えだって知ってて、逃げようとしてた。
きちんと、向き合わなければいけないに決まってるのに。
謝って済む問題じゃないのを、大前提にして喋るけど－陸は覚悟を決め、華夜子に告げた。
「ごめんね、華夜－」
言い訳になりそうで。
言い訳に過ぎず。
それしか言えなかった。
なんて返されるのかな－胃がきりきりと痛む。
『最低』
『最悪』
浴びせられるだけ、まだ、いい。