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蕩けるようなキスをして
第34章 彼の過去
「…ってか、そもそもお前、元カノでもなんでもねーだろ」
陸の冷たい一言に、乃愛が両手で顔を覆った。
傍からふたりの様子を見ていた華夜子は、乃愛が泣き出したのではないかと、はらはらする。
「ひど~い!散々あたしの身体を弄んだくせにっ。彼女とも認めてなかったって事?」
「弄ぶとか、人聞きの悪い事言うなっ。合意の上だったろ。そもそもお前、あの時から他に男いたじゃねーかよ。弄んでたのは-」
-どっちだよ。
そこまで言い掛け。
陸は我に返り、恐る恐る、華夜子を見る。
目が合うと、口角だけを僅かに上げた弱々しいそれを、返された。
余計な事を口走ってしまった-後悔が大波となり、押し寄せる。
途端。
陸はベンチに深く座り直し。
その長い脚を組み、口を噤んでしまった。
嘘泣きを決め込んでいた乃愛だったが、指の隙間から覗く、ふたりのただならぬ空気を流石に感じ取り、顔から手を離した。
陸の冷たい一言に、乃愛が両手で顔を覆った。
傍からふたりの様子を見ていた華夜子は、乃愛が泣き出したのではないかと、はらはらする。
「ひど~い!散々あたしの身体を弄んだくせにっ。彼女とも認めてなかったって事?」
「弄ぶとか、人聞きの悪い事言うなっ。合意の上だったろ。そもそもお前、あの時から他に男いたじゃねーかよ。弄んでたのは-」
-どっちだよ。
そこまで言い掛け。
陸は我に返り、恐る恐る、華夜子を見る。
目が合うと、口角だけを僅かに上げた弱々しいそれを、返された。
余計な事を口走ってしまった-後悔が大波となり、押し寄せる。
途端。
陸はベンチに深く座り直し。
その長い脚を組み、口を噤んでしまった。
嘘泣きを決め込んでいた乃愛だったが、指の隙間から覗く、ふたりのただならぬ空気を流石に感じ取り、顔から手を離した。

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