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蕩けるようなキスをして
第32章 予約済み
穏やかで、柔らかで、優しい-口調。
強く、激しく、逃れられない-双眸。
相対(あいたい)するもので、彼女を静かに縛ってゆく。
「華夜が、うんと言ってくれさえすれば、俺は滅茶苦茶、華夜の事を大切にする。約束する」
「…」
「俺の事…嫌い?」
華夜子は首を振る。
「友達以上から、昇格したい」
「…」
「…なんて。訊いた日から、まだ三日しか経ってないのにな。そんなにすぐに好きになれたら、苦労しないよな」
彼女を困らせてるのが分かる陸は結局、自分から話を終わらせるしかない。
もしかしたら。
もうちょっと強引に彼女の中へ踏み込めば、この状況は変えられるのかもしれない。
自分にそんな自信と、勇気があれば、だけど。
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