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蕩けるようなキスをして
第32章 予約済み
「行くなんて私、返事してない」
憤りを見せた華夜子に、陸は嘲るような笑いを浮かべる。
「なら、言えよ」
「え?」
行くって、言えよ-陸は試すように、華夜子を射抜く。
「…言えない」
再び。
華夜子は、歩みを止めた。
思い詰めたような彼女の顔に、陸は面白そうに言葉を投げる。
「なんで?行こうよ」
「…だって」
「だって?」
「…私達、まだそんなんじゃないし」
「そんなのって?」
「私達、まだ友達だし。…男友達の家にふたりっきりは、ちょっと-」
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