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蕩けるようなキスをして
第32章 予約済み
「まだ、そんな風にしか、俺を見れない?」
-だから、友達を超えられない?
-友達を超えられないまま、終わってしまう?
喉を出そうになる、問い掛け。
明らかに暗くなりつつある陸の姿に、華夜子は(事実だけど)ちょっと言い過ぎてしまったかなと、反省した時。
「俺がやりたいのは、華夜だけだ」
きっぱり言い切られ。
身体中の血液が一気に顔に集結する。
「なっ!?や、やりたいって何?なんの事?いやらしい!」
落ち込んでるかと思いきや、そんな心配など無用の陸の台詞に、華夜子は逆上する。
「いやらしいってさ…意味分かってるから、そう思うんだろ。なら、わざわざ訊くなよ」
非常に面白くなさそうに、あしらわれる。
大学の正門を出、陸に手を引かれ、左側へ曲がる。
え?-華夜子は長身の彼の横顔を見上げるが、当然のように、返事はない。
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