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蕩けるようなキスをして
第32章 予約済み
「こうやって大学の中を、華夜と手を繋いで歩けるようになるなんてなぁ。…やっぱ、見せ付けといて良かった」
暫く無言で歩を進めていた折り。
陸が漏らした一言に、華夜子はちょっとだけ、眉を寄せる。
「…どーゆう関係があるの、それ」
「俺ら、公認の仲になれたじゃん?手を繋ごうが、図書館で抱き付こうが、微笑ましいカップルのする事だからって、みんな騒ぎもせず見守ってくれてるから」
「…何が、微笑ましいカップルよ。公衆の面前でのあまりの馬鹿っ振りに、みんな呆れて物も言えないだけだよ」
なんの興味も無さそうに、擦れ違った女子学生グループ。
直後、背中で、きゃあきゃあ喚いてる。
「…みんな、騒ぎもせずに、ねえ?」
呆れてしまう。
おかしいな-華夜子の厭味も難なくかわし、陸は大きく、喉を鳴らした。
だから笑い声、でか過ぎ!-思うけど、自分もひとの事は言えなくなってきている、今日この頃。
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