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蕩けるようなキスをして
第4章 謝罪
離れて座ったのに、無意味だった。
ベンチのわざわざ一番右端に寄って腰を下ろしたのに、すぐさま身体を密着された。
肩も、腕も、脚も、触れ合う程の。
既に逃げ場がない。
「…滅茶苦茶、左、空いてるんですけど」
だから、そっちに行って-遠回しに伝えてみるが、無駄だった。
まあ、最初から、分かっていたけれども。
更に身体の左側にぴったり寄り添われ、あまつさえ、肩を抱かれさえもした。
冗談じゃなく、誰が見ても、誤解されまくりの状況。
「ちょっと…!」
止めてよ-言おうとしたのに、陸のそれが一瞬早かった。
華夜子の左の耳元近くに唇を寄せ、陸は得意の囁きを与えた。
「じゃあ、おねーさんも、もう二度と膝蹴りはなしだよ」
分かった?-彼が一文字一文字口にする度、電流が走るような感覚。
ぞくぞくする何かが、下から上へと、背中を一気に駆け昇る。
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