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蕩けるようなキスをして
第3章 中庭
『俺と一緒だと、何をするにも人の目があって、恥ずかしい?』
『頭の弱い女に見られるから、俺とは一緒にいたくない?』
『俺の新しい女だって思われたら恥ずかしい?明日から大学に来れなくなる?』
わざと人目につきやすい場所に連れて来て。
わざと自分と一緒なのを皆に見せつけて。
わざと然も、自分に関係があるかのように。
ここに彼といる限り、明らかに、誰しもにそう、思われる。
既に気付いた人達には、思われている。
その人から誰かに伝わり、また、誰か-噂となり、どんどん伝わってゆくだろう-ある事ない事。
それが嫌、それを嫌がっているのを十分知った上での、一番嫌がる方法での、仕返し。
自分に刃向うと、こうなると。
だからもう、逆らうなと。
次は、もうないと。
そう、言ってる-。
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