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第28章 ライン

きちんと気持ちを伝え、ありがとうを言って。
『またね』をすれば良かった。
凄く可愛いなって思ってた。
正直、買おうかなって、少し、迷ってた。
でも結局、陳列棚に戻した。
あの時は、まだ周りの目を全然吹っ切れていなかったから。
だから。
居たたまれなくって。
あの場から、立ち去りたくなってしまって。
後ろ髪を引かれる思いで、置いた。
諦めていたのに。
だから、余計に。
嬉しくって。
感動してしまった。
いつの間に買ってくれていたんだろう－考えて。