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蕩けるようなキスをして
第26章 彼の隣り
彼女を、自分に、振り向かせたい。
かつて彼女に指輪を贈った男よりも。
自分を見て。
自分だけを見るようになって。
どうしたら、いい。
どうしたら、彼女は。
彼女は、俺を見てくれる。
俺だけを、見てくれる-?
「華夜-」
華夜子の頭を自分に寄せて、陸は囁く。
狂おしいまでに愛おしい彼女の名を。
俺だけの、華夜子に、なって。
俺だけの、華夜に、なって欲しい-…。
鼻腔に届く彼女の匂いに溺れ、このままどうかなってしまいそうだった。
彼女に溺れ、このままどうかなってしまいたい。
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