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蕩けるようなキスをして
第26章 彼の隣り
それが、恋焦がれる彼女の事なら、尚更-…。
やるせない大きなため息が漏れる。
自分がこんなんじゃなかったら。
顔の作りがほんの僅か他人と違うだけで、こんな風になる。
全然普通で良かった。
普通がいい。
ただ普通に毎日を送りたいだけだ。
ただ彼女と普通に手を繋いで歩きたいだけだ。
普通じゃない事なんて望んでない。
望んでなんかない。
望んだ事なんてない。
ずっとこんな繰り返しだ。
昔から、ずっと。
他人には羨ましがられ。
妬まれ。