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第26章 彼の隣り

それを合図に、店内を進む足が、再び動き出す。
フロアの中を何となく一周見て回っている、最中。
彼が突然、名を呼ぶ。
あ、あの服、華夜子に似合いそう－と。
その先には、ストライプのワンピース。
ウエスト部分がリボンを結ぶようになっている。
（自分に似合うかはともかくとして）確かに可愛いかも－買いもしないのに、思わず立ち止まって、じっくり見てしまう。
また暫く歩くと、彼は少し遠くを眺めて、呟いた。
あ、あのスカート、華夜が好きそう－言うが早い、繋いだ手を引っ張られて、ちょっと遠くのショップまで連れて行かれる。
マネキンが身に着けていた、淡いブルーのフレアスカート。
確かに形も綺麗。
何より、大好きなブルー。
ショップの前で数秒、つい、見惚れてしまう。