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蕩けるようなキスをして
第25章 デート
『…離したくない』
『え…?』
『華夜子と離れたくない。離したら、もう手を繋いでくれないかもしれない。だから、離したくない。だから、やだ』
駄々を捏ねる子供のように、言われる。
『だからって。やだって-』
-離してくれないと、スマホ使えないんですけど(片手でも出来なくはないけど)
そう、言いたかったのに。
一瞥されたその瞳の色気に、見事に掴まってしまう。
頬が、火照る。
さっきからずっと。
その手を握られてるだけで、どきどきしてるのに。
その指が絡んでいるだけで、どきどきどきどきしてるのに。
なのに。
こんな間近で。
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