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第24章 誰のことも

本気になったのは、高嶺の花のような女で。
本気になったのに、自分なんか、まるで相手にされないような、それはいい女で。
叶う確率なんか限りなくゼロに近い女で。
もっと他に女なんかいっぱいいるのに。
もっといくらかでも、振り向いてもらえる可能性のある女にしとけばいいのに。
どうしても、彼女じゃなければだめだった。
いつの間にか、彼女以外は欲しくなかった。
身の程を知らずな－分かってる。
その指輪の相手の足元にも及ばない自分－知ってる。
忘れさせる事なんて出来る？
彼女の中の彼の存在を消す事なんて出来る－？
自信なんてないけれど。
情けない事に全く以て、ないけれど。
「俺は、華夜子が好きだ」
それしか言えない。