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蕩けるようなキスをして
第24章 誰のことも
離せと言われるまでは、まだ、握っていてもいい?
握っている間は、見えなかった。
指を絡めている間だけは、隠れていた。
左指の指輪の跡が消えるまでは、こうしていたかったけれど-…。
「華夜子が覚えてくれてるかは、分からないけれど。前も言ったけど。自分から誘った事は一度もない。けど、誘われれば、誰とでも寝てきた。次々来る誘いを断るのも面倒だったし。何より-」
すげー気持ちいいじゃん?-その言葉は彼女に向けて、確かに発したけれど。
相手に心のない交わりでの快感なんて-とっくに気付いてた。
なのに。
断れない、自分。
断らない、自分。
そんな自分に辟易し、嗤ってしまう。
「誰かを好きになる事なんて。自分の周りに集まるのは、皆、俺の外見だけが好きな奴らばっかりだ。すぐやりたがる奴ばっかで。向こうが向こうなら、俺だって本気になれる訳もない」
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