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蕩けるようなキスをして
第19章 一カ月ぶりの
集中講義のあった日以来、大学に足を踏み入れた。
夏休み中とは言え、人の出入りは割とある。
研究や実験中の学生、自習や集中講義を受けに来た学生、サークル活動を行う学生達-。
そんな人達と擦れ違いながら、図書館に向かって歩を進める。
ああ、今日も暑い。
早く、冷房の効いた館内に入りたい-歩くスピードが、知らず、速まる。
一歩、図書館に足を踏み入れれば、冷やされた空気が、瞬時に全身を纏う。
炎天下の中、徒歩と電車でここまで来た身としては、天国のようだった。
吹き出していた汗が、徐々に引いてゆく。
鞄から取り出したハンカチで額を押さえながら、閲覧席に移動する。
席の一つ一つを確認しようとし-程なく、目当ての人物を発見する。
こんな時。
その目立ちまくりな容姿。
華のある雰囲気。
それらは、非常に役に立つ。
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