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蕩けるようなキスをして
第16章 返事はできない
考えてみた。
メールを送って、本当に後悔しないか。
黒板いっぱいに書かれた、メルアド。
前期試験開始の、ほんとぎりぎりで。

『退屈でしょーがないって日が、一日でも、もしもあったなら』

そう、言われても。
そう、言い残して、去られても。
どう対処していいのか、途方に暮れた。
試験に遅れる訳にいかなくて。
申し訳ないけれど、それも理由に含めて、連絡先を控えないで、教室を出て行こうとした。
一度はドアのハンドルに手をかけたのに。
やっぱり、どうしても、そのままにしておけなくて。
とりあえず、大急ぎで、写真に撮った。
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