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蕩けるようなキスをして
第72章 最愛
俺の方こそ-陸は唇を噛み締め、腕の中の最愛の彼女に告げた。
「俺も、華夜じゃなきゃだめだった。俺を選んでくれてありがとう。華夜」
陸の囁きに、華夜子の涙が嗚咽に変化しそうになる。
息が出来なくなるくらい、しがみ付いてこられ。
彼女につられ、冗談じゃなく自分も泣きそうになり、陸は慌ててわざと突き放すように言う。
「よせよ。なんでこんな状態で号泣しなきゃなんねーんだよ」
乱暴に華夜子の頭を掻き乱し。
自分に縋る女の身体を、壊し兼ねない程に強く抱いてやる。
いつもは勿論加減して。
でも今は必要なかった。
その細い身体を、砕いてやりたかった。
やっぱり好きな気持ちは、自分が勝る。
こんなにして。
自分をこんなにまでしてくるんだから。
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