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第72章 最愛

次も当然くるもの思っていた、律動による快感。
それが突如として中断され、華夜子は無意識の内、不満を含んだ声を漏らしてしまう。
「や…なんで…」
口にしてから、すぐに我に返ったのだが－時すでに遅し。
「やなのはこっちだよ。もうちょっと加減しろ。最初っから張り切り過ぎんなよ」
陸が意地悪く耳元に囁いてき、華夜子は赤面するしかない。
「張り切ってない！なんでいつもいつも、陸はそーいう…！」
「何が『いや』で何が『なんで』なの？」
即座に切り替えされ、華夜子は追い詰められる。
「そ、それはっ」
「それは？」
柔らかな息がかかったと思ったら、耳朶を噛まれた。
「あ…んっ」
悩ましげに呟いたのも束の間。
生温かな舌が耳の中に入り込み、華夜子の身体が跳ね上がる。