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蕩けるようなキスをして
第72章 最愛
シャワーを貸してもらった後(のち)。
再び黒いタイツを履き直したのだが-これも怒られるだろうか。
でも、冬の夜に生足のままは寒いし。
だって、シャワーを浴びたまま素足だなんて-如何にも、何かを期待しているようで。
華夜子は頭の片隅でそんな事を考えていたが、特段それについては何も言われなかった。
太股の内側に刺激が走り、華夜子の脚は震える。
陸の指が、華夜子の脚をなぞるように、ゆっくりと、這う。
「…っ」
華夜子は辛うじて、切ない声を呑み込む。
素肌を直接触れられるのも、それはそれで堪らない心地良さだけど。
でもこうしてタイツを履いたまま。
まるで文字でも書くように。
爪先から足の付け根まで、指先が焦らすように静かに這い上がっていけば。
ぞくぞくするような快感が指の蠢きに合わせ、駆けてゆく。
結んだはずの唇から、甘い喘ぎが漏れるのも、そう時間はかからなかった。
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