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第71章 証

嘘だと思ってた訳ではない。
そもそも、嘘を吐く理由などない。
でも。
やっぱり。
自分にとってはあまりにも非現実的で。
受け入れたと言いながら、心の片隅では－ひょっとしたら。
もしかしたら彼女が、訂正してくれるんじゃないかと。
密かに、僅かには、思ってた。
その微かな期待は－見事に、打ち砕かれた。
やっぱり、本当だったんだと。
彼女はやっぱり、彼と。
『付き合っている』だけの自分よりも。
『結婚しようとしていた』彼の方が遥かに、好きだったのかな。
深く、愛されていたのかな。
くだらない事を－思うけど。
様々な思いが交差し、頭の中は上手く整理出来そうになかった。