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第69章 求める夜

「りく…すき？」
「かや…」
「りく…私を、好き？」
「うん…かやは？」
「…すき」
「俺は…教室で初めて出逢った時から…もうずっと、華夜が好きだ」
陸が余裕のない中、それでもどうにか笑みを張り付け告白すれば、華夜子は少しの躊躇いの後（のち）、答える。
「私は最初は、好きじゃなかった…かな」
正直に吐露され、陸は喉を鳴らした。
「知ってる」
「…だって、あんな最悪な出会いってそうそうないよ」
「…ごめん」
「もう過ぎた事だから。それに私の方が…色んな過去を背負ってるし」
言い淀む華夜子の頬を優しく撫で、陸は甘美なキスを与える。