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蕩けるようなキスをして
第2章 櫻葉陸
「昨日会ったのも何かの縁?おねーさんと、もっと仲良くなりたいと思ってさあ-」
陸は誰にでも、いつもそうするように、自らの身体を、彼女に密着させた。
「昨日から、綺麗なおねーさんだなって、ずっと思ってた」
甘い囁き。
誘(いざな)う微笑み。
しかし、華夜子にはなんの効果もなかった。
「馬鹿みたいな台詞を言ってこないで。そんなんに引っ掛かる私じゃない。必要以上に近寄らないで。周りの人に女ったらしの、頭の弱い取り巻きの一人だと、思われたくない。恥ずかしくて、明日から大学に来れなくなる」
だから、もう、行って-華夜子の手厳しいそれに、またしても陸の顔の動きが、止まる。
そして-、
「おねーさん、最高…!」
人目も憚らず、本館へ続く廊下のど真ん中で、陸はげらげら笑い出す。
それに驚いたのは、華夜子。
「ちょ、ちょっとっ…!」
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