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第69章 求める夜

「一応訊くけれど…痛かったりしない？我慢させてない？」
心配するように呟かれ、華夜子は小さく頷いた。
なら、良かった－答え、陸は視線を外した。
華夜子の表情が曇る。
どうかしてしまったんだろうか。
もう、終わり？－陰る瞳で見続ければ、陸が再びこちらを向いた。
「都合のいい方に、勝手に解釈してしまうけど？」
「えっ？」
「今一旦止めた時『どうして？』って顔をしたように見えた」
羞恥に、華夜子は何も言い返せない。
「『もう終わりなの？』って顔で見られた気がした」
真っ直ぐに見られ。
今度は、華夜子が目線を逸らす番だった。
彼にはお見通しだった。
彼には全て。