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蕩けるようなキスをして
第13章 送信
「陸-」
華夜子は応えた。
彼を呼ぶ。
彼の両眼が、またしても大きくなったように見えた。
戸惑いを隠せない表情-そして、やがて、彼女から視線を外し、柔らかな波打つ落栗色の髪を自らの手でくしゃくしゃに乱した。
口角は-ほんの、僅か、上がっている-…。
目線は逸らしたまま、今度は手櫛で乱れた髪を直し始めた陸に、最後に会った数日前にも感じた些細な違和感を、またしても感じる。
華夜子は、思い切って、声にした。
「…寝癖?」
ぼそり。
呟いた彼女に、陸は思わず、外した視線を繋げてしまう。
絡んだ目はそのままに、暫し、固まる。
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