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蕩けるようなキスをして
第69章 求める夜
陸の促しに、華夜子は短い言葉を発する事しか出来ない。
「…うん」
冬休みの間交わした、いくつものラインや電話と寸分違わず。
こうして顔を合わせても、言ってくれる事は少しも変わらなかった。
嘘とは思わなかった。
彼の言う事はいつでも正しくて。
でも。
優しいから。
それだけが気掛かりで。
無理なら無理と。
受け入れられないなら受け入れらないと。
辛いけど。
もう一度だけ、確かめたかった。
そういう展開も十分覚悟して、口にした。
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