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蕩けるようなキスをして
第69章 求める夜
「…なら。なら、なんで、今そんな事訊いてくるんだよ。俺もいいって言ってんだから、必要ないだろ」
視線を逸らし、顔を歪める陸に、華夜子は震えた声で告げる。
「…そう、なんだけど。ふと、思ってしまったんだもん。優しい陸はいつでも私を受け止めてくれるけど…その、ほんとかなって。無理してないかなって。実は無理させているんじゃないかって。特に今回の話は-」
「思ったよ」
「え…?」
「最初はなんの冗談かと思ったよ。でも華夜がこんな事、俺に冗談で言う訳ないって…信じた。結婚って?まだ学生なのに?俺にとってはまだまだ遠い未来の話で、そんなの考えた事もない。華夜を誰よりも大好きだけど…流石に結婚しようとは思わない。例えそう思ったとしても、今の俺じゃ絶対出来ない。親の脛(すね)を齧(かじ)って、大学に通わせてもらってる分際で?…先生だから出来た。俺より二十以上も年上で。きちんとした仕事を持った大人で。有名な教授で。そんな高階先生だから出来た。…敵わないなって。ほんとに俺なんか足元にも及ばないなって。華夜が本気で好きになったひとなだけあるよ。それ程に立派な先生なら…出逢ってすぐに、結婚しようって思う事もあるかもしれない-」
-それぐらいの事は、思ったよ。
視線を逸らし、顔を歪める陸に、華夜子は震えた声で告げる。
「…そう、なんだけど。ふと、思ってしまったんだもん。優しい陸はいつでも私を受け止めてくれるけど…その、ほんとかなって。無理してないかなって。実は無理させているんじゃないかって。特に今回の話は-」
「思ったよ」
「え…?」
「最初はなんの冗談かと思ったよ。でも華夜がこんな事、俺に冗談で言う訳ないって…信じた。結婚って?まだ学生なのに?俺にとってはまだまだ遠い未来の話で、そんなの考えた事もない。華夜を誰よりも大好きだけど…流石に結婚しようとは思わない。例えそう思ったとしても、今の俺じゃ絶対出来ない。親の脛(すね)を齧(かじ)って、大学に通わせてもらってる分際で?…先生だから出来た。俺より二十以上も年上で。きちんとした仕事を持った大人で。有名な教授で。そんな高階先生だから出来た。…敵わないなって。ほんとに俺なんか足元にも及ばないなって。華夜が本気で好きになったひとなだけあるよ。それ程に立派な先生なら…出逢ってすぐに、結婚しようって思う事もあるかもしれない-」
-それぐらいの事は、思ったよ。

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