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第69章 求める夜

穏やかに、語られ。
まだ硬さはあったが、華夜子は口角を上げた。
「平気…ごめんなさい」
華夜子が謝罪を口にすれば、陸は彼女を見据え、言った。
「華夜は何も悪くないんだから、謝る必要はない」
微笑み。
気遣うように肩を抱かれ、ゆっくりと撫でられる。
「興奮して、急ぎ過ぎてたかも。だめだな…ごめんね」
彼の方こそ、謝る事などないはずなのに－その優しさに、胸が打たれる。
絶対に自分を責めたり。
急がせたり。
その一切をしない彼に、いつも救われる。
いつも満たされる。
嬉しくて。
自分はなんて幸せ者なんだろうと、いつも思う。