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蕩けるようなキスをして
第69章 求める夜
だけど、本当に。
もう、このままの状態では-無理だった。
思いがけない華夜子の言葉に、陸は一瞬固まったが、やがて嬉しそうに笑った。
華夜子を手を握り、部屋の奥に彼女を導く。
ベッドの脇に到着し、陸は華夜子を覗き込んだ。
「ここでいい?」
ただでさえもう十分恥ずかしいのに。
わざわざ訊くまでもない事を改めて尋ねてくる彼に、華夜子は八つ当たりしたくなる。
けれど。
更に自分の恥を晒し兼ねなくもあり、華夜子はそれを堪える。
促されるよりも先に、大人しくベッドの上へ乗った。
この間の夜のように、灯りが落されている訳でもなく。
下着すら既に身に付けていないので、胸を隠すようにとりあえず、両膝を抱えて座ってみる。
「何、それ?」
そんな彼女がおかしくて。
着たままだったコートを脱いだ陸は、苦笑いしながら華夜子の隣りまで来た。
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