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蕩けるようなキスをして
第69章 求める夜
唇は繋がったまま。
彼女の白いコートの一番上から順に、ボタンを外しにかかる。
ひとつ。
ふたつめ-その手を制するように、白い手が重なった。
その予想外の行動に、彼は思わず唇を離してしまう。
「寒いよ、陸-」
ようやく自由になった口唇で、華夜子は少々咎めるように呟いた。
「エアコンつけて。こんな寒い部屋じゃコート脱げない」
軽く睨まれ。
陸は苦笑いする。
「まあ、寒いは寒いけどさあ、ちょっと大袈裟だろ」
「北国育ちのひとには分かんないのよ。それとも、私が寒さで風邪引いてもいいって言うの?」
ちょっと大袈裟過ぎるかな-華夜子は思ったが、こうでも言わないと彼が止めてくれそうもなかったので。
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