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蕩けるようなキスをして
第65章 返事
本以外のものが、果たしてこの部屋に存在するのだろうか-疑ってしまう。
遠慮がちに入室した私が、目を見開く様が余程おかしかったのか、高階先生は肩を小刻みに揺らしながらドアを静かに閉めた。
『この部屋に初めて来た人間は、100%御堂さんと同じ顔になる』
『あ、え…そうなんですか。あ…!』
近くの本のビルに身体が触れ、危うく崩しそうになる。
『気を付けて。倒したら本の下敷きになるよ。…って、洒落にならないか』
-怪我したら、大変だ。
呟き。
先生はいくらか余裕のある場所まで私を促し、そこにどこからか出してきたパイプ椅子を用意してくれた。
『昔はね、割と立派な応接用のソファがあったんだ。でも、日々増える本の置き場がなくなってしまって、取っ払ってしまった。…だから、ごめんね。御堂さんだけじゃなく、この部屋に来た人間は皆、このパイプ椅子に座るしかないんだ』
悪戯を仕向けた子供のような表情で、先生は自らも椅子に腰掛けた。
遠慮がちに入室した私が、目を見開く様が余程おかしかったのか、高階先生は肩を小刻みに揺らしながらドアを静かに閉めた。
『この部屋に初めて来た人間は、100%御堂さんと同じ顔になる』
『あ、え…そうなんですか。あ…!』
近くの本のビルに身体が触れ、危うく崩しそうになる。
『気を付けて。倒したら本の下敷きになるよ。…って、洒落にならないか』
-怪我したら、大変だ。
呟き。
先生はいくらか余裕のある場所まで私を促し、そこにどこからか出してきたパイプ椅子を用意してくれた。
『昔はね、割と立派な応接用のソファがあったんだ。でも、日々増える本の置き場がなくなってしまって、取っ払ってしまった。…だから、ごめんね。御堂さんだけじゃなく、この部屋に来た人間は皆、このパイプ椅子に座るしかないんだ』
悪戯を仕向けた子供のような表情で、先生は自らも椅子に腰掛けた。

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