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第65章 返事

「…それは。そりゃ、高階先生と俺は違うけど」
黙って聞いていた陸が、静かに口を開いた。
「でも。先生と俺がおんなじとこもあったはずだ」
「りく…？」
彼は何を言いだすのか－華夜子は不思議そうに陸を見る。
そんな華夜子を一瞥し、陸は口角を上げた。
「華夜を好きだっていう気持ち。それは先生も俺も同じだったはずだ。同じくらい華夜を好きで。大切で。大事だったに決まってる」
陸の言葉が、華夜子の胸を打つ。
「いつもは…側にいれなかったかもしれないけれど。でも華夜を想う先生の気持ちは、いつだって華夜の近くにあったはずだ」
「…」
「それだけも先生は出来なかったんじゃない。それだけは先生はちゃんと出来てた。…華夜だってそんな事、気付いていただろ？」
探るように問われ、華夜子は小さく頷く。