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蕩けるようなキスをして
第65章 返事
「ここでご飯食べたら、年明けまで逢えないんだから、並んで座るぐらい、いーじゃん。…華夜はさ、十日も俺に逢えなくて淋しくないの?」
「えっ」
「そこで絶句すんなよ。ショックだろ」
大仰に溜め息を吐き、陸はテーブルの上のチャイムを鳴らした。
「なんかいっつも追い掛けてるのって、俺の気がする。それが嫌な訳じゃないけど…たまには淋しいとか、逢いたいとか、言ってもらえたら…単純だからすげー喜ぶのにな」
店員に注文し終えた陸はメニューを閉じ、テーブルに頬杖をつく。
脱いだコートのポケットの中からスマートフォンを取り出し、時間を確認する。
あと一時間くらいかな-誰に聞かせる訳でもなく、陸は口を開いた。
その横顔に、華夜子の胸は疼く。
「…淋しいよ」
華夜子の漏らした声に、陸は頬杖を崩す。
そして再び、彼女に顔を寄せた。
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