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蕩けるようなキスをして
第65章 返事
朝の時間帯で混雑していなかったせいもあり、ファミレスでは少し広めの席に案内された。
並んで座ったソファ席で、陸はメニューを華夜子に広げてみせた。
真っ先に自分で見始めたりするひともいる中、こういう所はそつがないなといつも思う。
それはありがたいなと思いつつ、華夜子は呟く。
「…なんで隣り」
普通は向かい合って座る-はず。
二人用ではなく、折角広々と使える席に通されたのに、身体を密着して座ってる意味が分からない。
「いーじゃん、別に…華夜、決めた?」
陸は事も無げに返答し、更に顔を寄せてくる。
「あ、うん…だって、狭くない?」
寄り過ぎと思いつつ、左側は壁なので逃げ場はない。
動揺しつつ、彼の匂いを身近に感じているしかない。
そんな華夜子にお構いなしに、陸はメニューを捲った。
「全然」
「…そっち、もの凄く空いてるじゃん」
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