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蕩けるようなキスをして
第12章 乃愛
夏休み前の最後の登校日。
カフェテリアでお昼を食べた後(のち)、華夜子は明日からの長い休みの計画を、留以とあれこれ話していた。
最近はずっと教室で済ませてたから、久し振りで、何だか新鮮に感じる。
一時(ひととき)に比べれば、あまり騒がれる事もなくなったので、今日は思い切って、カフェテリアに来てみた。
試験に、楽しい夏休みの話題-皆もそんな暇じゃないらしい。
ここに二時間近く席を陣取っているが、誰もこちらの事など気にしていない風だった。
まさに、人の噂も-だ。
この分だと、夏休み明けは元通りの大学生活が送れそう。
心の底から、ほっとする。
「夏休みの旅行、今から楽しみだね~」
留以が旅行雑誌を眺めながら、浮かれた様子で話し掛けてくる。
「だね。北海道なんて初めてだしね」
華夜子も同意して、笑う。
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