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蕩けるようなキスをして
第61章 恋と憧れ
どんなにお堅い先生なんだろうって思ってた。
でも実際は、少しも自分の知識をひけらかす事なく。
ユーモアに溢れ。
二十歳も年上だなんて思えないくらい、子供のようなひとだった。
いい意味でイメージを大きく覆され、講義の度に少しずつ、少しずつ、気になり始め。
そして。
気付いた時には-もう、好きになってしまっていた。
大学に入って最初の講義が、高階先生の授業だった。
期待と-後は、大学の授業がどんなものなのか、不安が入り混じり。
緊張の中、講義がスタートした。
実際は-あっと言う間の九十分。
専門用語なんか一切使う事なく。
正に今勉学を始めたばかりの私達に、分かりやすい言葉を選び、時にジョークを交え、熱弁をふるっていた。
あまり熱心に語るものだから、授業の途中で暑くなってきたらしく、背広を脱いで腕まくりをしていた。
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