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蕩けるようなキスをして
第60章 T
「友達思いで。口が堅くて。ルイさんみたいな親友がいる華夜が羨ましい。…ルイさんの事、大事にしないとな」
陸の微笑みに、華夜子は涙を滲ませ頷いた。
「だから。ルイさんじゃない。俺が、勝手にそう思っていただけで」
華夜子の栗色の髪を梳きながら、陸は意を決し、確かめる。
「なんとなく確信はしていたけど…華夜のその感じから、俺の考えは間違っていなかったって…そう、思っていいのかな?」
胸の中で、彼女が首を縦に小さく振った。
知らないなら知らないでやきもきしていたくせに。
知ったら知ったで-やっぱり少なからず動揺してしまう、自分。
そんな思いを封印するかのように、陸は彼女を抱き締め続ける。
彼女を腕に抱く事で、自分自身の心の平静を保っていた。
「…見てしまって」
陸は懺悔する。
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