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第59章 蕩ける夜

陸の首筋に手を回し、華夜子は彼を自らに引き寄せた。
遠慮がちに、重ねる唇。
やがてお互いがお互いを求め、穏やかで、優しいキスが繰り返される。
「…りく」
互いを慈しむような接吻の間。
華夜子は呟いた。
「りく…私は平気だから。だから、して欲しい」
彼女に重ねようとしていた陸の唇は、思わずストップする。
「…無理してない？」
「してない。痛みの上限が分かったから。もうあれ以上の痛みはないのなら、多分平気。だから－」
－して。
彼女の甘言に、すぐに傾いてしまう自分に呆れてしまう。
華夜子の花芯に根元まで埋まった陸のそれは、もう彼女を求めてた。
「優しくする。けど、あんまり痛かったら、教えて。約束だよ、華夜－」
陸は軽く華夜子の唇を吸い、試すようにほんの僅か、そこを揺すった。