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蕩けるようなキスをして
第11章 待ってても
『長い夏休み。退屈でしょーがないって日が、一日でも、もしもあったなら。連絡してよ。俺もきっと毎日暇してるから』

どんだけ勇気を出して伝えたか。
ちょー、緊張した。
この俺が。
誰かを誘う事なんて、思えば、いつ振りだったろう。
誘わずとも、いつも向こうから、誰かが。
誘ってなんかいないのに、いつも向こうから、誰でも。
いつしか断る事にも疲れ。
いつしか来る者拒まず。
俺の周りはいつだって、大勢の人間でいっぱいで。
俺の周りはいつだって、俺の見かけだけを好きで寄って来た人間で、いっぱいで。
でも、ひとりよりはましか-そう、思っていたけれど。
常に誰かがいる-そんな生活に最近疲労してる自分に、気付いた。
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