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蕩けるようなキスをして
第59章 蕩ける夜
「まあ、最終的にはそりゃ、挿れられたらいいなとは思うけど。その過程と言うか…例えばなんだけど、こうやって話をしながらとか。キスしたり。裸のまま抱き合ったり。華夜の身体に触れる事も。その全てが心地良くて。もの凄く幸せで。満たされてて。こんなセックスを、今まで誰ともした事がなかったなって気付いた。…まあ、そんな事言ったら、その相手にも失礼だけど。…もっとも。俺も今までの相手に散々、そう思われてきてたんだろうけど」
陸は自嘲する。
「やってる事は変わらないのに、何が違うんだろうって、ずっと考えていて。やっと分かった」
「…なに?」
「華夜だから。華夜が相手だからだ」
陸の掌が、華夜子の頬を撫でた。
「大好きな華夜だから。心が相手にあるかどうかで、全然違う。セックスに限らず、華夜が一緒だと俺はなんでも楽しい。嬉しい。心躍る。華夜と出逢えて良かったって、改めて思った。…華夜はどうか分からないけど。…ってか、華夜もそう思ってくれてればいいな、なんて」
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