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蕩けるようなキスをして
第10章 卵焼き再び
意を決したように。
陸は椅子から腰を上げた。
一度はしまったスマホを再びポケットから出し、ロックを解除し、教室前方の黒板に向かう。
華夜子は不思議そうに彼の背中を追う。
黒板の前に立った陸は、そこに白墨で数字を記入してゆく。
それから、アイフォンの画面を確認しつつ、今度は英数字を。
静かな室内に響く、黒板を走る、チョークの乾いた、音。
やがて書き終えた陸は、粉受けに白墨を置いた。
一呼吸置き、振り返った陸は、華夜子に向かって微笑んだ。
「長い夏休み。退屈でしょーがないって日が、一日でも、もしもあったなら。連絡してよ。俺もきっと毎日暇してるから」
「…」
「…でも。もし。そんな日が一日もないって、今から分かっているのなら…悪いけどこれ、消してから行ってもらってもいい?」
今度は口元を少し上げただけの笑いを残し、陸は教室を後にした。
陸は椅子から腰を上げた。
一度はしまったスマホを再びポケットから出し、ロックを解除し、教室前方の黒板に向かう。
華夜子は不思議そうに彼の背中を追う。
黒板の前に立った陸は、そこに白墨で数字を記入してゆく。
それから、アイフォンの画面を確認しつつ、今度は英数字を。
静かな室内に響く、黒板を走る、チョークの乾いた、音。
やがて書き終えた陸は、粉受けに白墨を置いた。
一呼吸置き、振り返った陸は、華夜子に向かって微笑んだ。
「長い夏休み。退屈でしょーがないって日が、一日でも、もしもあったなら。連絡してよ。俺もきっと毎日暇してるから」
「…」
「…でも。もし。そんな日が一日もないって、今から分かっているのなら…悪いけどこれ、消してから行ってもらってもいい?」
今度は口元を少し上げただけの笑いを残し、陸は教室を後にした。

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