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蕩けるようなキスをして
第59章 蕩ける夜
一番初めに喋ってくれた通り。
違(たが)わず、大切に大事にしてくれている。
怖い思いも、痛いようにもされていない。
寧ろ、心地良さを感じ始めている自分が、確かにいた。
無理矢理なんてされていない。
これ以上どうすればいいのか、きっと彼だって困ってる。
でも。
どうしても『うん』と言えない-。
「ねえ、華夜。華夜のお母さん、夜勤って何時まで?」
いきなり。
全然脈略のない話題を振られ、華夜子は訳が分からない。
「えっと…九時まで?」
-でも、時間ちょうどにはまず帰れないから、実際はもっとかかると思うけど。
分からないながらも事細かに答えれば、陸は笑った。
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