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蕩けるようなキスをして
第59章 蕩ける夜
言葉を失い、表情が固まってしまった陸を前に、後悔が押し寄せる。
自分の想像していた、彼の反応とは大きく異なり-華夜子の胸には不安が過(よぎ)る。
優しい彼なら、きっと分かってくれる。
大丈夫だと笑ってくれる-信じてた。
なんの疑いもなく、確信してた。
でも実際は-視線を逸らされ、何かを思案している。
言わなきゃ良かったのかな-胃が、きゅっと痛み出す。
しかし、流石にこれ以上、黙っている訳にもいかず。
恥ずかしさと。
居たたまれなさと。
様々な感情に苛まれ、泣きたくなる。
哀しみを堪え切れなくなった時、剥き出しの肩を抱かれた。
「…ごめん」
ひとこと。
謝罪を添えられて。
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