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蕩けるようなキスをして
第58章 真相
陸に髪を梳かれ。
恍惚となりながら、華夜子はそっと、開口する。
「…陸への返事は曖昧にしてしまっていたから、きっと当分貰えないだろう事は分かってた。けど私、善は急げじゃないけれど、思い立った今、気持ちの整理をしたかった。すっきりとした思いで、イヴの夜を迎えたかった。楽しみだって言ってくれてる陸と同じように、私も今日の陸との約束、とっても心待ちにしてたから。…ただ処分するその前に。彼と、彼に貰った指輪と、最後に数日でいいから、一緒に過ごしたいと思ったの。彼といた唯一の場所で彼を想って…区切りをつけようって」
-それで大学に、指輪を嵌めて行ったの。
華夜子の漏らしたひとことに、陸は小さく、頷いた。
これで全てが繋がった。
彼女の様子がいつも違う-いつしか感じ始めた違和感は、そういう訳だったのだ。
指輪を嵌めて。
或いは握り締めて。
恍惚となりながら、華夜子はそっと、開口する。
「…陸への返事は曖昧にしてしまっていたから、きっと当分貰えないだろう事は分かってた。けど私、善は急げじゃないけれど、思い立った今、気持ちの整理をしたかった。すっきりとした思いで、イヴの夜を迎えたかった。楽しみだって言ってくれてる陸と同じように、私も今日の陸との約束、とっても心待ちにしてたから。…ただ処分するその前に。彼と、彼に貰った指輪と、最後に数日でいいから、一緒に過ごしたいと思ったの。彼といた唯一の場所で彼を想って…区切りをつけようって」
-それで大学に、指輪を嵌めて行ったの。
華夜子の漏らしたひとことに、陸は小さく、頷いた。
これで全てが繋がった。
彼女の様子がいつも違う-いつしか感じ始めた違和感は、そういう訳だったのだ。
指輪を嵌めて。
或いは握り締めて。

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