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第58章 真相

「華夜？」
立ち上がろうとし。
留まる様子をみせた華夜子を、陸は覗き込む。
顔を近付けた途端。
いきなり胸の中へ、飛び込んでこられる。
「…どうしたの？」
ぎゅっと。
自分の身体に抱き付いてくる華夜子を、陸もまた掻き抱きながら、尋ねる。
「ひとこと謝らせて」
「…もういいよ。今は何も、怒ってもいない。今夜、こうして華夜に逢えた。華夜が謝らなきゃいけない事なんて、ひとつもない」
「陸にきちんと謝って、説明して、分かって欲しい事がある。…陸は、何も訊いてこないけど…知りたくないの？」
恐る恐る訊いてくる華夜子に、陸は微かに苦笑いを浮かべ、言った。
「華夜の事なら、なんでも知りたいに決まってる」