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第58章 真相

でも。
その程度の陥落じゃ、彼は許さない。
思考が麻痺するまで、散々口内を好きにされ。
縋るように、華夜子は陸の背にしがみ付く。
下唇を軽く噛み。
陸の唇は、そのまま彼女の細い顎へ向い、そして喉へ伝った。
華夜子は大きく、息を呑む。
陸の背中へ回された華夜子の両手は救いを求め、もがくように蠢（うごめ）く。
「例え誘われたからだとしても。こんな夜遅くに男の部屋に来るって事は、こうされて当然って分かってるよな？その覚悟で来てるって思っていいんだよな？」
嗤う陸の問い掛けも。
与えられるその快楽を耐え忍ぶ華夜子には、遠い場所からの声に聞こえた。
下へ。
下へ。
喉を這う陸の舌先に、華夜子は翻弄され、悶える。